東京都はやる気だ、と感じた。都庁での講演の感想です。

 10月27日夜、「子ども社会の情報化と大人の責任」と題して東京都庁の大会議室で特別講演をした。都側からは竹花豊さん(副知事)木谷正道さん(都IT推進室情報企画担当部長)らが挨拶などをされた。副知事さんは最初から最後まで参加され、しかも熱心に考えを述べられていたのにはちょっと驚いた。うわさには聞いていたが、形式だけ取り繕って中身には関心を示さない自治体のトップを見続けてきただけに、それは新鮮な光景だった。参謀役らしい(失礼)木谷さんの率直なメッセージ「ピンチをチャンスに!」にも好感が持てた。東京都はやる気だな、と思った。

 実際に木谷さんが言うようにIT時代の日本の子ども社会の現状はピンチなのだ。しかしそういう危機意識は世間では薄い。不安だとか何か変だ、などという声や言葉ばかりの危機感、事件がおきてもすぐに忘却される。そしてだんだん状況が悪くなっていく。(閑話休題)

 さて当日の「豊かなネット社会の形成と子どもたちの健やかな成長のために」という緊急提言は内容がよくできていて感心した。次に具体的な活動効果がここから飛び出してくることが期待される。それにしても元気のいい市民やNPO関係者が、東京にはいるものだと改めて思った。

 人材の厚さは、人口の大きさから当然といえばそれまでだが・・・。当然といえば、IT関連企業関係者の参加も東京らしい。地方のIT企業は多くがブランチなので皆本社の方を向いていてきめ細かい地域貢献はできにくい。しかしこういう試みが続くならホワイトハウスやIT企業、NPOが協力して「子どものためのITサミット」をしている米国のような協働の時代が来るかもしれない。いや、早く実現すべきだろう。次代の子どものことを考えなければ、この社会はダメになるのだから・・・。

(講演の内容は、インターネット放送されました)