専門家とは何者か
【市民インストラクター研修会(高知県室戸市)のお誘い】

 超大型台風が近づいていますが9月30日現在の信州安曇野は秋晴れの下、さわやかな風が吹いています。11月3日、4日に高知県室戸市のすばらしい海と日の光の中で子ども達のインターネット利用の現状に関する情報・意見交換や啓発方法の改善について合宿、研修が行われます。高知県の市民インストラクターである山中千枝子さんが企画し呼びかけをしていただいています。私は大変楽しみにしています。「研修会は堅苦しく、権威ぶったものにはしたくない」という山中さんの要望で、私は自由な講話という形で気楽な気持ちで、本音を語ります。

 「私はなぜ子ども達の携帯電話を問題にしたのか」というのが当日の演題となりました。私はiモードが売り出される前後の舞台裏の話とそのの影響について本音を語るつもりです。そんな演題を思い立ったのは今年のサラリーマン川柳の一句「専門家、震災前は偉かった」を読んだからです。震災前までは「原発のことならオレ達専門家にまかせろ、素人は黙っていればいい」と威張っていた。いわゆる原発村の専門家の言うことなど、いまや信用しないぞという気持ちが広がっていることを示す一句だと思います。原発以外でも専門家を自称している人たちに問いたださなくてはいけない。

 私もこの十年「オレはインターネット(ケータイ)の専門家だ」と偉ぶって来た人たちに改めて問いただしたいことがあります。「オレは専門家だと言うなら、あなた方はメディア・マジックといわれるような飛躍的な機能を実現したメディア利用の社会損失ということについて考えたことがありますか」ということです。彼らは今でも「私の言っていることが分からない」と言うか「そんなことは考えたことも無い」あるいは「「下田の言っていることの意味が分からない」と言うにちがいないと思います。しかし、日本の外の世界では、分かっている。

 かつての日本の成長を思い出させるような経済発展をしている中国や韓国がオンライン・ゲーム・システムと言うメディアの社会損失についてどれだけ巨額の社会損失が出るか試算までしてその結果利用規制をしている。このことの意味も分からないだろうし、目先の企業利益だけのことで頭がイッパイで社会損失まで頭が、意識、がまわらないのではないかと心配、というより腹立たしい思いがします。そういう目先のことしか考えていないから、成長期の子ども達を悪くしただけのガラパゴス・ケータイで終わってしまう。

 高知ではそうした私の思いも含めて、ケータイに代わるスマートフォンの影響などについても情報、意見交換をしていきたいと思います。ご興味のある方は高知県の山中さんまでメールなどでご連絡ください。
 

(山中さんからのお誘いのチラシはこちらから)