携帯電話を中学生に使わせるな! 野々市町の取り組みに、改めて脱帽

 日本中で、中学生はおろか小学生にまで高性能携帯電話の利用が広がっている。そうした中で、とうとう奈良県で首からGPS付きケータイを下げて歩いていた小学1年生が誘拐され殺されるという事件が起きてきた。彼女のケータイは「私は家に帰っても一人です。私はカギッ子です」といったメッセージになっていなかったか、改めて考える必要がある。「ケータイは持たせて安全」ではないのだ。しかし現実にはGPS付きケータイを子どもに持たせよう、という親は減らないようだ。そうした親の中には「殺されてもGPSで居場所が分かる」という人がいるというが、殺されてしまってはしょうがないのでは?本末転倒だと思うが、これだけケータイ流行の力は強いのか。そうした変な現状で、野々市町の人達が「小学生はもちろん中学生にも携帯電話を持たせないようにしよう。」「子どもの安全は、ケータイでなく地域の大人の目で守ろう」と呼びかけているが、これは本当にスゴイことだと思う。 

 12月6日に野々市町の中学2年生の子どもらを前に「ケータイは中学生に必要がない」という意味の話をし、「なぜケータイを学校に持ってきてはいけないのか」を説明して帰ってきたが、そうした私の講演を町ぐるみで支持してくれる地域の大人達に、頭の下がる思いがした。

 しかしこの数年のそうした行政、学校と地域の大人達の取り組みで、子ども達の意識も少しづつ変化してきたと聞き安心した。そしてそのような流れの中で野々市町は「インターネット時代の子育て支援の町」を目指して動き始めているし、そうした野々市町の大人の取り組みをもっと知りたいという自治体も増えていることもわかった。

 「必要がないもの、トラブルの種になるものは持たせない」とはっきり説明すれば子ども達も分ってくれると野々市町の大人は言う。子どもにこびるだけでなく、そう言い切れる大人の町がもっと増えて欲しいと思う。