「いじめ心」のふくらみに注意

 11月23日、文部科学省は大津の中2男子自殺を受けて、緊急のいじめ全国調査を行い、その調査結果が公表された。

 新聞の見出しは「いじめ把握、半年で14万件」前年度比で2倍強の増加とある。把握件数の増加は、調査方法の工夫や学校側の掘り起こし努力があったからだった。とされるが、いじめは減っていないのは事実となった。今回の調査では、地域差が出ていることと、小学校での多さが気にかかった。

 私が気にしている携帯電話やパソコンを使った誹謗中傷については「あった」と報告されただけで詳細は不明である。文科省は非対面のいじめであるネットいじめについては、あまり関心が無いようだ。そこであえて言うが、対面のいじめと非対面のいじめの相関性を今後も無視しない方がよい。今回のいじめの件数の増加は、「いじめ心」の増加を意味している。そして誰かをいじめたいといういじめ心は、対面のいじめ件数の増加以上に膨れ上がっているはずだ。学校での子ども社会のいじめ心のふくらみは子どもらが手にしているモバイル・インターネットから刺激されやすく、その結果、いじめの実行につながりやすいことを頭に入れておいた方が良い。特に自制力が育っていない低学年のケータイ、スマホの急速普及は、いじめ心の刺激要因になりやすい。