ペアレンタルコントロールという言葉が初めてTV全国放送で紹介

 11月15日、午後2時5分よりNHK[元気列島]という番組の中で、初めてペアレンタルコントロールという言葉が紹介された。この番組では愛知県の市民インストラクターによる出前講座の様子や市民講座を主催する愛知県教育委員会の職員の姿も放送された。

 番組の作りは「ゲーム機もインターネットができる端末機ですよ」というゲーム機をクローズアップしたもので、ペアレンタルコントロールはそのおまけのような紹介になったが、ここで改めてペアレンタルコントロールという言葉の説明をしておきたい。私が愛知県だけでなく、香川県や高知県、群馬県などの市民インストラクター養成講座でペアレンタルコントロール概念の解説をしてきたが、この言葉の意味を改めて以下に書き記す。

 「ペアレンタルコントロールとは、保護者による子どものメディア利用の管理、監督、指導のことである。」この言葉が最初に使われたのは米国で、CATVの普及期のことであった。つまりテレビの多チャンネル化の中で子どもに見せたくない番組の視聴制限や長時間視聴制限の営みを意味する言葉であった。それがゲーム機、とりわけオンライン・ゲーム機の使用制限(子どもにふさわしくないゲーム・ソフトの使用禁止やインターネット端末機からのゲーム・サイト利用制限、利用時間制限の営みを意味する言葉に発展してきた。さらにはその後、パソコンによる有害サイト利用、利用時間の制限、管理へと発展した。

 つまりゲーム機の使用制限、利用管理にとどまらず、パソコンを含むインターネット利用可能な端末機全体の管理・指導を意味する言葉になった。わが国では特にiモードなど携帯電話やスマートフォンの子ども社会への普及があるため、ゲーム機を含むモバイル(携帯型)インターネット機のペアレンタルコントロールが重要になってきた。このペアレンタルコントロールの入り口として挙げられるのが、フィルタリングの設定である。

 いつでも、どこでもインターネットを利用できるモバイル・インターネット機を子どもに買い与える保護者は子どもに有害な情報が入らないようにフィルタリングをかけることが、携帯電話端末機で法的に義務化された。すなわち、子どものネット利用でペアレンタルコントロールが必要な時代になったのである。

 しかし、有害情報をブロックするフィルタリングの設定は、ペアレンタルコントロールの入り口にすぎない。子どもに買い与えた、インターネット機の利用に注意して見守り、最終的には、フィルタリングをはずすのがペアレンタルコントロールのゴールである。このことは次回以降に解説する。