2010年、子どもの携帯電話・インターネット利用問題で保護者の声を大きくしよう

 あけまして おめでとうございます。昨年は青少年メディア研究協会にとって、市民のネット見守り指導活動支援システム(CISS)前進の年となりました。市民インストラクターのパワーアップと保護者のペアレンタル・コントロール能力を高めケータイ問題のしわ寄せを受けている学校を助けるためのCISSは、群馬大学社会情報学部下田研究室において実用化のための可能性調査を終えた後、2008年から2009年にかけてデーターべースおよび入力画面設計を終了、昨年秋から本格的にモニタリングやモニタリングデータを活用した子ども達のネット利用指導実験に入りました。

 各地の教育委員会など行政と連携した私どもの市民人材育成およびシステム実験には社会的関心も高く、2009年3月末から4月はじめにかけて信濃毎日新聞、共同通信(配信記事4紙)日本経済新聞など多数の報道がありました。また8月20日の読売新聞朝刊社会面に「携帯サイト事情、親が学んで講師役」という見出しで私ども青少年メディア研究協会による市民インストラクター養成の取り組みが紹介されました。さらに年度末の12月29日にはCISSのオペレーターが少女のプロフなどモニタリング活動をしている状況を読売新聞が大きく報道してくれました。(新聞記事を未だお読みになっていない方はご覧ください。)

 「少女の敵・市民の目が摘発」という読売新聞の記事では、昨年秋から本格的にはじまったCISSネットモニタリング成果の一部が紹介されました。我々は、生徒指導や養護教員と協力して子どもにネットで悪さをしかけようという大人から子どもを守り、子ども自身と保護者の危険回避意識を高めるための実験をしているわけです。CISSの成果は未だ不十分で、読売新聞の記事の「これだけのことができると、胸を張る下田理事長」という表現には程遠いのですが、これから本当に胸を張って報告できる成果を挙げたいと思っています。

 インターネット時代の子育て教育を支援するという我々のCISS開発実験の目的は、ネットで子どもに悪さをする大人だけでなく、安全管理をなおざりにしてネットで荒稼ぎしようというネット遊び事業者達を監視する効果も発揮するはずです。そのため我々はネット遊びサイトの実態データを積み上げるデーターベースを開発しています。

 ところで昨年度の活動の思い出のひとつに、京都市教育委員会と群馬県の市民インストラクター活動委員会が当協会とともに京都市で開いた全国会議があります。ここでは子どものケータイ問題解決に関心を持つ人々が全国から集まりました。このような保護者や教員の力が大きくなり、CISSに蓄積された情報を使って、インターネット時代に子どもを悪くする業者や悪辣な大人たちから子どもを守り育てる仕組みを作らなくてはいけないと考えるようになりました。子どものインターネット利用問題解決のためにも、2010年度は親の声を大きくする努力を一緒にいたしましょう。