メディアへの期待
大人と若者、子ども達との違い

 メディアとは何か? そう問うと、たいていの人は情報の記録、伝達手段と答える。それは間違いではない。しかし。メディアは単なる情報の伝達手段ではない。メディアは心の様(さま)を映す鏡でもある。

 古来よりヒトは喜び悲しみなど心の働きを言葉(文字)や絵。音を使って表現と伝達をし、伝え合ってきた。このメディアの感情表現の伝達手段という面を若者らは重くみる。我々大人は、日々の暮らしや仕事に役立つ実利的情報を入手したり、伝達するという実利的視点からメディアの価値を認めている。これに対して若者は心の状態を表現し、心が通い合う相手探し、仲間作りの手段としてのメディアの利用に力が入る。

 インターネットのような高度な表現支援、相互コミュニケーション支援力を備えたメディアはそうした若者のメンタル・ニーズに応えるメディアなのです。だからネットを使っての親友探し、仲間作りや仲間との絆作りにのめり込み、ネット依存とも言われるほどに力が入ってしまう。

 インターネットのメディア・マジックに惑わされない大人は、若者らの心の満足、癒しに過剰な期待をかけぬよう、ブレーキをかけたり眼を覚まさせたりしなくてはいけない時代になってきた。

 この大人の役割は、今後ますます大きくなるだろう。そうしてこれを踏まえて子どものインターネット利用ではフィルタリングをかけるなど保護者の役割(ペアレンタルコントロール)が必要という認識で一致した。この論議を踏まえて、次にペアレンタルコントロールとは何かを話し合った。ペアレンタルコントロールの定義である。

 「ペアレンタルコントロールとは保護者による子どものメディア利用の管理・監督の営みである。」この場合の「メディア」の種類としては、テレビ、新聞、電話、書籍、雑誌、ビデオ、ゲーム機を含む玩具、インターネットが挙げられた。研究者の中には言葉そのものやラジオなど広範囲な媒体から各種媒体の広告などに特化した問題提起も行われた。