ペアレンタル・コントロールの実践
 「インターネットというメディアの正しく深い理解」

 インターネットというメディアを基本的にテレビと同じものと考えている人は案外多い。液晶画面を使っているし、そのパソコンの画面でテレビの番組も受信できるからだろうか。しかしインターネットはテレビとは異質のメディアである。インターネットとテレビの違いは、大きく3点挙げられる。

  1.  テレビはチャンネルの切り替えで与えられた情報(番組)の選択しかできないが、インターネットはキーワードを使って個人的に興味のある情報(文字・画像・音楽など)を引き出すことができる
  2. 情報をネットから引き出す(受信する)だけでなく、個人が各種の情報(文字・画像・音楽など)を多数の人々に向けて送り出す(発信する)こともできる。つまり普通の個人が一人で手軽に、個人的な放送局を持つことができるようになった。
  3. それ故にインターネットの利用者はたとえ子どもでも情報発信に責任を持たなくてはならない。自分が引き出したその情報が誤っていたり、過剰に刺激的情報であり、判断力や自制力の無い子どもが、そうした悪質な情報で被害を受けても自己責任となる。つまりインターネット利用は、テレビと違い情報選択と情報発信の自己責任を発生させる。

 ちなみに判断力や自制力の無い子どもが刺激的で誘惑的な情報をネットから引き出し、誘い出されて性被害に合うなどの事件は多数発生している。

 要するに、インターネットというメディアは、テレビと違いその利用にあたり責任が発生するメディアである。悪質な情報を子どもが選び、その情報から悪い大人に繋がって子どもが悪くなれば、それは親の責任になる。つまりインターネットというメディアの利用責任は子どもでなく保護者がとらなくてはならない。そのために、親は我が身を守るためにも子どものインターネット利用の管理、監督能力を持たなくてはいけないわけだ。

 ここで問題になるのが、どのような装置からインターネットを子どもにさせるかというネット端末機の選択である。テレビの受信機は画面も大きく、居間で皆が観ることができるが、インターネットの受発信機であるパソコンはテレビより画面が小さい。ケータイやスマートフォン、ゲーム機はなお小さい。この小さな画面から子どもが危ない情報を見たりその危ない情報を発信している大人と繋がれば、親の頭越しにリスクが発生する。